社会の窓から

社会の窓を開け放ち、世界の人々と交わろう。

(一応)香港デモ余話として/2019.11.22/U氏へのメール

「京都アニメ」青葉容疑者が語ったという「(病院の看護で)初めて人に優しくしてもらった、、、、」を知ってから、ずっと考え続けています。

三世は、ブルガリア経由でグルジアに逃げ?、(定住を期待していた)そこでも酷い扱いを受け、G(ご主人)ともどもギリシャにも居場所がなく、勝手知ったるタイに逃げて?きました(今日バンコクに着いたところです)。

三世たちに対しての僕の想いは、「もう関わりたくない、笑」というのが気持ちの半分を占めていますが、本人が常に言う「Gを助けることが出来るのは自分だけ」「2人のことを分かってくれるのは青山先生だけ」というのも、(後者に関しては素直に同意できないけれど、笑)そうかも知れないな、と思って受け入れています。もちろん僕の方も、日本語で常時会話が可能なのは、現状三世だけなので、恩恵を受けているのはむしろ僕の方かも知れませんが。

ハードディスクがクラッシュしました。修復不可能、とのことです。先日日本で新たに買った1テラのもので、とりあえず重要資料(主に写真原板)を、次にもう一つ購入する7000円の資金が出来るまで、移している最中でした。単なる比喩的言葉だは無く、僕の命(どうせすぐ亡くなります)より、遥かに大事(人類に受け継がれる資産)です。これが修復できないと、イッツ・オーバーです。中国滞在中に、可能な限りトライしようと考えたのですが、広州在住の知人Kさんの意見で、中国での修復は試みてはならない、直るものもダメにしてしまう。膨大な金額はかかるだろうが、日本に帰ってから然るべき業者に託しなさい、とアドバイスされ、それに従っていますい。

ということで、一縷の希望は捨ててはいないのですが、どれほど辛い心情でいるか、、、、。気持ちをブチあけられるのは、モニカと三世ぐらいです。モニカが、一緒に悲しんでくれ、同時に「大丈夫、直る」と、普段にない(笑)明るい声で励ましてくれるのが、嬉しいです。

さて、三世の方ですが、このようなことを言います。

「私にとっての青山先生の魅力は、人柄と、考え方である、青山先生の使命は、野生生物の研究などではなく、(香港デモの記事のような)人間社会についての問題点を、他の人には出来ない視点から、多くの人々に伝達していくことにあるのではないか」

僕は、それは絶対に違う、と思っています。そんなことは、僕でなくても、誰でも出来るのです(誰もやろうとしないのと、世間がやらせてくれない、という現実はありますが)。

中国のアジサイ、蝉、蝶、、、これは、僕以外の誰にも出来ない。少なくても、僕のやってきたレベルでは、誰も出来ません。向かうところは、アジサイの話であっても、香港デモの話であっても、同じです(これは分かって貰えないでしょうけれどね)。同じであるとともに、アジサイや蝶は巨大な世界で、香港デモなどは、その端っこに位置する、ごくちっぽけな話です。

ということで、アジサイ、蝉、蝶の資料は、なんとしてでも守りたい。人間社会の出来事などには関わっていられません(香港デモに関しては、敢えて周辺/全体のみから捉えることにして、メディアのお祭り騒ぎには加わりません、、、香港大学哲学科教授のD博士とも、そのようなスタンスで考えて行こう、と連絡を取り合っています)。

ただ、最初に書いた、青葉容疑者が漏らした言葉には、(たぶんU氏には分からないだろう)大きな衝撃を受けました。

人間とはなになのか、社会とは何なのか、、、、。アジサイやモンシロチョウやヒグラシの本質探索に格闘するのと同じレベルで、考えて行っても良いのではないか。

以前、僕はU氏に、食事の帰り、新宿-中野の満員電車のなかで、「漫画を読みますか?」と尋ねたことがありますね。僕にとって、その質問は、非常に深い意味があるのです。

漫画からアニメに、、、、、、、、、、、。これ以上は書きませんが、これが今の「世界」です。そして(突拍子もない表現だけれど、笑)そのことで人類は滅びます。

僕の能力の限界(僕も「低能先生」ですから、笑)があるので、U氏に伝えることが出来なくて悔しいですけれど、「青山さんの中では、アジサイもアニメも香港も、多分理論的に全部繋がってるのだろうな」と、適当に納得しておいていただければ有難いです。

というわけで、三世の言う「僕の考え方を人々に伝える使命」など、全く無視するつもりではいますが、こと「青葉容疑者の言葉」に対してだけは、見過すことが出来ないのです。

僕に条件(命の期限、経済力、もちろん表現の才能)が揃っていれば、(そんなことが可能なのかどうかはともかく)将来獄中にいるであろう青葉容疑者に面会を繰り返し、(アジサイやモンシロチョウやヒグラシの実態を解析するのと同じビジョンでもって)人間(人類の社会)とはなにか、という命題に、取り組んでみたい、と夢想しているのです。

まあ、宮崎学氏の言うように、>絶望的な話をしなければいけないんだけど、『この国の国民がバカなんだ』と思います。その後の共謀罪の創設も同じだけど、本当は自分自身にも降りかかってくる話なのに、『悪いヤツをやっつけるためなら、何をしてもいいんだ』という、単純かつわかりやすいロジックしか考えられない国民になってしまっている。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191117-00010011-flash-peo
ということで、何を言っても、どうしようもないことではあるのでしょうが。

「青葉容疑者が受けた優しさ」についての話が、「現代ビジネス」に掲載されました。(U氏の担当でないとしても)、作者・御田寺圭氏(とこの記事を取り上げた編集部)に心から感謝しています(先を越されたので悔しい気持ちもありますが)。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191118-00068498-gendaibiz-soci


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12月4日に帰国します(冗談ではなしにそれまで生き延びられているかどうかわかりませんが、HDDの無事を見届けるまでは死ねません)。明日、香港経由で広州に戻り、アパートに籠って、モニカが「独身の日11月11日」にアリババで購入してくれたトースターでバター・トーストを食べながら、(心が折れてしまって進行を中断していた)「香港デモの真実!」の纏めに、改めて取り組みます。

帰国後、食事(もちろんトンカツ)が出来る機会があれば、有難いです。


追記

以下、むろん戯言です。

東農大生が話題になっていますね。

実害から言えば、7月1日に、学生たちにレンズを壊され、暴力(取り囲まれ押し倒されたり引きずり回されたり殺すと脅されたり)を受けた僕や、同じ日、(服装が警察に似ていた、と言うだけで)長時間亘り学生たちに拘束され、恐怖を感じ続けたミンダナオ人の一般男性などのほうが、ずっと大きいように思うのですが、(少なくとも日本のメディアでは)一切報道されない。面白いですね。

2019.11.21上海臨港国際近代美術館にて 青山

追記の追記

この話は改めてしますが、上海にやってきたのは、ある日本人のIT起業家(結構、有名な人らしいです)と面談のためです。「現代ビジネス」の僕の記事(昨年度)複数取り上げています。その人が、三世を通じて、一度会って話をしたい、と申し込んできました。O.K.しました。すると、突然、面会場所の日時場所(11月15日午後3時、上海南京西路「ドトール・コーヒー」)を指定してきました。前日14日のことです。慌ててモニカに上海行の航空便チケットを買ってもらい、指定場所に赴きました。しかし、指定の時間に現れず、その後(三世からも何度も連絡を取っているのですが)全く返事がありません。広州のKさん(彼はその人の存在を知っている)によれば、今中国に在住している日本人IT起業家の多くは、そのレベルの人種である、被害を被る前でむしろ良かった、と。それでも、一応一週間、上海で連絡を待つために「芸術家村」に滞在しているわけです。

上海での待ち合わせ日時の指定が突然来て、モニカにチケットを手配させたわけですが、最初の段階では、朝目が覚めてその通信をチェックした時点で、間に合うバスに乗るために、僅か2分ほどの余裕しかありませんでした(アパートからバス停まで7~8分、バス発車時刻まで10分)。それで、文字通り「着の身着のまま」で部屋を飛び出た(そのことが原因でHDDがクラッシュした)。着替えも何も持っていない(今は芸術家村の大有氏にセーターやズボンを頂いたので問題ないのですが)最初の数日は、寒くて仕方が無かった。まさに凍え死しそうな状況。自室の在る芸術家村ビルの3階に一度戻ったあと、パソコンを置いてあった1階のスタバに戻ろうとしたら、余りの寒さに倒れそうになってしまいました。それで、ビルの入り口の近くにいた警官(公安)に助けを求めました。「スタバに置いてあるパソコンなどを取ってきて欲しい」と。快くO.K.してくれました。のみならず、待っている間寒いだろうから、と、自分の着ていた「警察の制服」を僕に着せてくれた! これ、日本だったら、考えられないことです。警察官は、重大な罪に問われます。即、犯罪者です。でも、出鱈目中国は、それで良いのですね。良い事か悪い事かはともかく、少なくとも僕の命は救われたわけです。

も一つ、今回、つくづくと思ったこと。モニカと小七との食事後、スーパーでの出来事。同じような目に会ったのは三回目です。前回は、食事中に小七がウンチをしたくなって、モニカが食堂横のゴミ箱にウンチさせていた、前々回は、僕がお守り中、ジャーとお漏らしされてしまった。モニカはむろん、周りの人たちは、全く無関心です。今回もモニカが買い物中に、座ってゲームやってるときに、ズボンを履いたまま(まるで水道の蛇口から勢いよく水が流れ出すように)「ジャー」と。慌ててモニカを呼んだら、「そんな下らんことで呼ぶな」とこっちがお叱りを受けました。かなりの高級住宅街ですよ。でも、子供のションベンぐらい、どうでも良い事なのです。中国は、スーパーとか食堂とか駅とか電車の中に、「謎の水たまり」を拵えつつ、世界一の近代国家になっていくのだと思います。