社会の窓から

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ElvisとBetlesのはざまで~Johnny Tillotsonの時代 「You're The Reason あんたのせいで眠れんかったわ」(上)

ジョニー・ティロットソンがらみの、様々なアーティストの曲の紹介としては、「涙ながらに」&「夢の枕を」50曲

連発、を準備していたのだけれど、HDDが壊れてしまい(その修理費が捻出できなくて)取り出せなくなってしまいました。他にも「ジュディ・ジュディ・ジュディ」と「キューティ・パイ」、「ホワイ・ドゥ・アイ・ラブ・ユー・ソウ」と「ポエトリー・イン・モーション」、「トレンブリン・キッス」と「涙くんさよなら」、、、、、題材は無数にあるのですが、どれも「大作」になってしまいます。コンパクトに纏められそうなのが、アメリカでのほぼ最後のメジャー・ヒットとなった「ユアー・ザ・リーゾン」(邦題は僕が勝手につけた)。

 

そのオリジナルとカバー・ヴァージョン12組を、寝る前に毎日のように聞いているので、それを紹介することにしました。

 

コロナの話が長くなって、なかなか仕上がらない。その話のなかで、「穴埋め用に先に書く」と宣言したのだけれど、その後「やっぱりやめておく」と訂正したのを、再訂正して、やっぱり穴埋めアップすることにしました。あくまで穴埋めなんで、出来る限り簡単に、と自分に言い聞かせて。説明は一切せずに、曲だけを並べるのも有りかなと思ったのですが、やっぱり少しは解説・感想を入れたい、ということで、何度も何度も「長くならないようにここは抑えて」と言い聞かせながら書きました。

 

*長すぎる、3回に分けろ!とチエちゃんからクレームがついたので、予定していた付録(Ester Phillips

の 「Releas Me」 とSammi Smithの「Send Me The Pillow That You Dream On」 の 紹介を割愛した上で、上中下3分割します。

 

Bobby Edwrds 1926~2012

https://www.youtube.com/watch?v=8IvQt5lj3ts

1961年 Pop 11位/C&W 4位

オリジナルです。60年台初期としては数少ない、ポップとカントリーのクロスオーバー大ヒット曲です。いかつい顔に似合わぬ、結構ソフトな声で歌います。ボビー・エドワーズは、ほぼ一発屋ですね。この曲のほかに、62年と63年にポップスとカントリーで各1曲(71位/23位)チャートヒットがあるだけです。でも「あんたのおかげで眠れへんかったわい」は、ポップとカントリーのエヴァーグリーンとして、燦然と輝いています。

ちなみに、やはり自作のB面曲「I'm A Fool For Lovin' You」もユーチュブにアップされていますが、こちらもなかなか楽しい佳曲です。以下、チャートヒット5曲を含むカバーバージョン12曲を紹介していきますが、歌詞の違いを始めとする説明や感想は、このバージョンを元にして行います。「キャント」ではなく「ドント」。「トュルトュル」が入る。最初の2小節は「眠れない理由」を自分で歌い、後半はコーラスで羅列します(「廊下を歩く」「ブルーになる」「タバコを吸う」「コーヒーを飲む」「ギターを爪弾く」「月を眺める」)。「僕と付き合って!」の「ミー」のところで声が裏返ります。「ギターを爪弾く」あとは「愛してる」と言います。特にシャウトはしません。終盤でテンポは変わりません。最後に「あんたのせいで~」の繰り返しと「眠れんかったぜ」が入ります。

 

Hank Locklin 1918~2009

https://www.youtube.com/watch?v=pZ2r9nIXKF8

1961年 Pop 107位/C&W 14位

ベテラン大物歌手が同時に別ヴァージョンをぶつけてきました。ハンク・ロックリンに関してはこれまでに何度も紹介しているので説明はパス。ジョニー・ティロットソンがらみでは、言うまでもなく「夢の枕を」のオリジネーターで、「涙ながらに」も歌ってくれています。「Happy Barthday To Me」(C&W 7位)との両面ヒット。曲調はオリジナルとほぼ一緒(声はよりソフト)で、「トュルトュル」入り(全バージョン中最も明確)のコーラスと交互に歌われます。ただし、「眠れない理由」は自分では歌わず出だしを含めて全部コーラスで(言葉の順序が最後の辺りで少し異なります)。「ハニー」と「ベビー」入り。「ミー」のところで特に声は裏返りません。最後の「あんたのせいで」「眠れんかったわ」はありません。

 

Joe South 1940~2012

https://www.youtube.com/watch?v=5jZO15joshY

1961年 Pop 87位/C&W 16位

作者の一人のボビー・エドワース、大物ベテラン歌手のハンク・ロックリン、そして無名の新人ジョー・サウスの3者競作となり、その3バージョンが同時にヒットしました。ジョー・サウスは8年後に自作の「ゲームス・ピープル・プレイ」(69年Pop 12位)で大ブレークしますが、それがなければ、この曲だけの一発屋で終わるところでした。最終的には、この2曲を含めて71年までに7曲のポップ・チャート・ヒット(うち3曲がC&Wとクロス・オーバー)があります。ビリー・ジョー・ロイヤルの「ダウン・イン・ザ・ブーンドックス」や、リン・アンダーソンの「ローズ・ガーデン」の作者としても知られています。3つの初期ヒット・ヴァージョン歌手のうち、年齢では断然若いのですが、歌声はベテラン2人より大人っぽく聞こえます。声のトーンを大胆に何度も変えるなど、60年前の曲とは思えないほどの斬新なイメージです。「トュルトュル」入りの軽快な女性コーラスあり。眠れない理由の羅列は冒頭と中盤&終盤のコーラスのほか自分でも歌います。最後の「あんたのせいで」は何度も繰り返されますが、「眠れんかった」はありません。

 

Gerry and the Pacemakers(Gerry Marsden 1942~)

https://www.youtube.com/watch?v=BnojdkfOWCg

1965年 Pop 117位/B-side of “Give All Your Love To Me : U.K. 68位”

一般的には、61年の3競作と、67-8年にカントリーにチャートインしたジョニー・ティロットソン盤の4つ

がヒット・バージョンとされているようですが、正確にはあと3つのヒット・バージョンが存在します。80~90年代にカントリー・チャートで80~90位台を記録した2曲と、初出3曲とジョニー盤に挟まれた65年にポップ・チャート117位を記録した、ジェリー&ペイスメイカー盤です。この曲だけが、他の各曲とは全然印象が異なります。上記ヒット4バージョンをはじめ、紹介した全ての曲が、多かれ少なかれカントリー・ティストに満ち溢れてるのに対し、この曲にはそれが全くない。それも道理、ビートルズらとともに世界を旋圧したブリティッシュ・ロックの一組です。シャウトしています。その場違いともいえる彼らが、なんでこの曲を取り上げたかというと、当時ブリティッシュロックの連中にとって教祖的な一人と位置づけられていた、アーサー・アレクサンダーが先行カバーしていたからですね。グループであるにも関わらず、(合いの手を除いて)コーラスなしで、全パートをジェリー一人で歌います。「あんたのせいで」「眠れんかった」付き。