社会の窓から

社会の窓を開け放ち、世界の人々と交わろう。

「新型肺炎コロナウイルス」について (三世およびU氏へのメールから) 2020.1.29

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ほぼ断言して良いです。

 

これは、日本の国民とメディアが(無意識的に)仕掛けた、中国に対する「情報のウイルス」です。

 

むろん、僕も「新型ウイルス」の問題を軽視しているわけではありません。それはそれとして(「新型」以外の肺炎やインフルエンザ共々)対処することが必要でしょう。

 

でも、もっと大変な問題が内に潜んでいます。

 

将来に亘り、世界が混乱していくだけです。

 

[*武漢からの帰国日本人へのインタヴューを読んでも、当事者と「マスメディアおよび日本の大衆」の間に、温度差があることが知れます]

 

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僕の伝えたいことを、改め纏めておきます。突き詰めれば次の2つです。

日本(および香港)のメディア・市民に対する警告:

>パンデミックを引き起こす最大要因はパニック(一つの所に集中する恐ろしさ)

中国本土の政府・市民に対する警告:

>中国の近代化は間違っている(根本的な環境整備に本気で取り組むべき)

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これがモニカから届きました。

 

情報が錯乱して、市民が疑心暗疑になっています。ある意味、(ちょっとオーバーに言うと)「嫌中」日本が仕掛けた情報戦です。

 

ただし、モニカ夫妻は、湖南省の実家に閉じ込められ、当分広東省に戻れないようです。

 

お伝えしたように、僕も部屋を追い出される可能性があります。

 

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今モニカから連絡が来て、広州の一時的封城状態は解かれたようです。

 

ただし、今後、日本人は、アパート在住を拒否する、という通達をされています。荷物を数多く運び込んでるので、どうすればよいか(モニカは当分戻って来ない)、途方に暮れています。

 

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ちなみに昨日は、ローカルバスや、地下鉄の乗り継ぎや、スタバやショッピングセンターの入り口で、何度も何度も(計10回余)「発熱検査」を受けました。測ったあと、体温を伝えてくれます。僕は、なぜかずっと36度3分でした。自分の体温が知れる、というのは、なかなか良い事です。

 

都心部は、ほとんど全く人影を見ない郊外のアパート周辺とちがい、幾らかの人出はあるのですが、それでもいつもの春節同様に、ガラガラです。地下鉄やバスの車両は、せいぜい2~3人程度。結構ゴホゴホやってるのもいますが、近寄らなくて済むので安心です。一番怖いのは、病院でしょうね(笑)。

 

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今日、これから(モニカを通して)広州の日本領事館と話あいます(広州も事実上封鎖状態です、ただ今後の見通しは不明)。

 

「香港デモ」の時もそうでしたが、日本のメディアの偏り方・煽り方は、異常です。「自民党が」「共産党が」どうのこうの、という問題ではありません。「メディア」とそれに扇動される「大衆」によって、早晩、日本は世界から見離されてしまいます。

 

例えば、何百人もの飛行機の乗客がいれば、通常でも今の時期、2人や3人の風邪の症状があって当然です。ない方が不気味です。むろん「新型ウイルスを防ぐために最大限の努力をする」というのは、大切なことだと思います。でも、その一点にのみ目を凝らして、俯瞰的な(多様な問題に等しく対応する)判断が出来なくなってしまう、というのは、恐ろしいことです。

 

中韓を叩きたい気持ちは分かりますが、こんなことでは、彼ら以上の「情けない民族」と、世界に受け取られてしまいます。

 

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今、日本においてメディアから発信されている「異論」(客観的な姿勢をとる重要性の指摘)は、ごく僅かしかありません。

 

「現在進行形」で事は進んでいるのです。ある意味、時間との勝負、だと思っています(「香港デモ」同様に、やがて有耶無耶にはなってはいくのでしょうが)。

 

敢えて、オーバーに言います。

 

関東大震災時の、デマによって導かれた「韓国人虐殺」と同じ状況です。

 

しかも、間に立った日本人は、両方から非難されるようになる。客観的・俯瞰的な見方が出来ない(それを“自制”せざるを得ない)世界へと、どんどん突き進んでしまいます。

 

さらにオーバーに言えば、ヒットラーに従った、第二次大戦時のドイツ国民と同じかも知れません。

 

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今日は、往復5時間かけて、マスクを買いに行った訳ですが、、、、。

 

「灯台下暗し」とは正にこのこと。

 

町中ゴーストタウン(しかしまるでミサイルのような爆弾花火の大音響が暗闇の中で一晩中轟き続けている、、、ちなみに町がゴーストタウン状態なのは新型ウイルスとは無関係で、春節期間の日常光景)の中にあって、ただ一軒、僕のアパートの隣の売店が開いていた!

 

マスクも普通に沢山売ってました。一つ2元(約35円)です。1000円とか、(アマゾンで)数万円とかの報道は、一体何の根拠によるものなんでしょう?(僕も危ゆく信じるところだったです)

 

実態と異なる現象を、必要以上に煽るのは、やめて貰いたいですね。

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食料を町まで買い出しに行きたいのですが、直通バスの運行が中止になってしまいました。

ローカルバスと地下鉄を乗り継いでトライします。

このあと、2月2日に香港空港まで辿りつけるかが心配です。

新型ウイルスに対する懸念は分かりますが、(それこそ香港デモの場合同様に)主に日本メディアの報道が加担して、共同幻想パニック(関東大震災の朝鮮人暴動問題のように)になってしまっています。

新型ウイルスよりも、本来なら遥かに危惧を持たねばならない、従来の肺炎やインフルエンザへの対処が隅に追いやられてしまっている(僕だって肺がずっと苦しく、肺炎関係のチェックを恒常的にしたいのだけれど、今はそういう訳には行かなくなってしまっている)。

皆が一つの「空気」に乗っ取られた行動を起こすことによって、結果として必要以上の新型ウイルス感染者を出し、他の症状に対する対応が麻痺した状態に陥っている。その責任の一端は、日本のマスコミと大衆にあると思います。

今回は、一応“他人事”である「香港デモ問題」とは違って、自分にも被害(「新型」そのものではなく、それによるトバッチリ)が及ぶ、という訳です。

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今日、僕が外出したことを、アパートの大家さんがカンカンに怒っているそうです。

バスや地下鉄は、マスク無しの人間は乗車出来ません。

パスポートを見せて、特別にマスク無しで途中の町まで行きました。

マスクは売り切れで(一説によると、一個数千円??)買えなかったのですが、お店(薬局)の人が自分の分をひとつ無料で分けてくれました。

大家さんには、モニカに電話で謝って貰いました。さっき、食料を持ってきてくれました。

明日、モニカが、状況(2月2日に香港にスムーズに行きつけるかどうか)を広州の日本領事に訊ねます。

一応、一日早く出発して、前夜は深圳のホテルに泊まる、最悪、広州-香港タクシー。ただし、その資金がない(日本人は誰も助けてくれない、笑)ので、どうなるかは分かりません。

 

それはともかく、、、、後で詳しく書きますが、結果論として中国政府が「隠蔽」「後手に回った」のは、大正解だったと思います。

 

様々な通達(殊に都市間移動の規制)が出されたのは、大晦日(徐夕、1月24日)の午後。大半の都市住民の帰省が終わった後です。

 

もし、2~3日早く規制が発令されていれば、今頃は、各都市に閉じ込められた大量の市民で、大変な騒ぎになっていたと思います(当分このまま各人の田舎に閉じ込めておく方が処置がしやすい?)。

 

「香港デモ」の時と同様に、日本メディアの「一方に偏った」煽り方には、つくづく怒りを覚えます(その中で「現代ビジネス」は最もまとも)。この「新型ウイルス」問題に加担している、というよりも、ある意味“主犯”だとさえ思えてきます。

 

「香港デモ」の場合と異なるのは、今回は僕自身が(マスコミの煽りの)直接の被害者であるという事です。「新型」云々に関わりなく、僕のように、もともと肺炎の症状を持っている人間や、インフルエンザ患者たちが(それらの危険性は「新型ウイルス」より遥かに高いのにも関わらず)、軒並み脇に置きやられてしまっている。この騒動で、最も恐ろしいことは、「新型」以外のウイルスなどが蔓延してしまうこと、だと思っています。

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